【カンボジア】危険なビル10棟に解体命令、シアヌークビル[建設](2019/09/06)
カンボジア南部シアヌークビル州当局は2日、安全性に問題がある州内10棟のビルの所有者を呼び出し、即時の解体を命じた。6月に建築中のビルが倒壊し、54人が死傷した事故を受けた措置。プノンペン・ポスト(電子版)が4日伝えた。
会談にはコー・チャムロン州知事や、事故後に設立された「シアヌークビル州建築物品質検査委員会」のラオ・ティップ・セーハ委員長(建設省長官)らが出席した。
州当局は事故後、州内の約500棟のビルについて安全性を検査。8月下旬、危険と判断した14棟のビルの解体を命じた。しかし、4棟しか解体に応じなかったことから、この日の呼び出しとなった。
州報道官によると、会談で知事らは「解体命令は最終的な決定だ。即時解体しなければ法的措置を取る」と警告した。一方で、「解体に応じれば、建て直しにあたって設計や技術面で支援し、建築許可の速やかな発行などに協力する」とも伝えた。
500棟のビルの検査では、解体命令を出した14棟のほか、70棟についてはまだ結論が出ていない。
6月の倒壊事故は、同月22日の朝に発生。現場で寝泊まりしていた作業員ら28人が死亡、26人が負傷した。ビルは無許可で建築中だった。
事故を受け、フン・セン首相は建築中の全てのビルを検査し、建築許可の有無を確認するよう指示していた。