【マレーシア】不動産市場に回復の兆し、価格が上昇傾向[建設](2019/08/22)
マレーシアの不動産市場に回復の兆しが見えてきた。首都クアラルンプール(KL)などでは今年に入ってから販売価格が上昇傾向を示している。21日付マレーシアン・リザーブなどが伝えた。
不動産情報ポータルサイト「プロパティーグル」によると、開発業者や住宅所有者の提示価格を集計したプロパティーグル市場指数(PMI)は今年第2四半期(4~6月)に86.2となり、前期の85.4から0.9%上昇。前年同期の87.8、17年同期の88.4は下回ったものの、今年に入ってから回復傾向にあることが浮き彫りになった。
地域別では、KLで前期から0.9%、スランゴール州で0.3%、ペナン州で0.2%上昇。一方、15年から上昇を続けてきた唯一の地域であるジョホール州では0.5%下落した。前年同期比ではKLで2.4%、ジョホール州で3.0%それぞれ低下した。
プロパティーグルのマレーシア事業責任者、シェルドン・フェルナンデス氏は「初めての住宅購入を支援する政府のキャンペーン『ホーム・オーナーシップ・キャンペーン(HOC)』や印紙税の減免、5月に実施された利下げなどが、KLやスランゴール州などでの購買意欲の向上につながった」と指摘。一方で、昨年に実施された外国人による不動産購入への規制強化などが、シンガポールに隣接するジョホール州の不動産市場に悪影響を与えたとの見方を示した。